<室﨑益輝のつぶやき>
【支援の4原則】
ミャンマーのサイクロンや四川省の大地震が相次いで起こる中、日本からの支援のあり方が問題になっている。そこで今一度、支援を受けた被災地側の視点から、支援のあり方についての私見を述べておきたい。私は、被災地への支援については、次の4つの原則が大切だと考えている。
その第1は、「被災現場に即した支援」という原則である。被災の現実から支援のニーズを読み取り、被災地の現実から支援のあり方を考えなければならない、ということである。被災地の現実に可能な限り目を向け耳を傾けて、その中から支援の方向性を見いださなければならない。被災の現実や被災地の文化をよく知らないままに、自らの過去の限られた経験を教科書のように振りかざしての、思い込みの支援あるいは押し付けの支援をしてはならない。
その第2は、「被災者に寄り添う支援」という原則である。被災者との間に相互信頼の関係を築き、共感し協働して再建や復興にとりくむことが欠かせない、ということである。支援する側&支援される側という垣根をいかにして取り払うか、がここでは問われる。大義名分の支援あるいは自己満足のための支援、アリバイづくりの支援などは厳に戒めなければならない。
その第3は、「被災者の元気を生む支援」という原則である。被災者のエンパワーメントというのがこれにあたる。被災者が元気になるように、被災者が希望をもてるように、そして被災者が自立できるように支援をすることが求められる。被災者がたちあがれるように、後ろから上手に後押しをするのが良い。子供の宿題を親が肩代わりするような支援であってはならない。ここでは、被災地の経済力を高める支援など、支援の幅を広げることを考えたい。
その第4は、「被災者と学びあう支援」という原則である。被災者から、被災地の活動から、謙虚に学ぼうとする姿勢が支援者に求められる、ということである。これは支援する側と支援される側の垣根を取り除くということにもつながっている。被災からの復興の教訓を共有して、明日の我が身に役立てる姿勢が欠かせない。
2008年5月26日